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大阪暮らし ぼちぼちいこか

大阪に住み始めて7年めのきーちゃんが綴る大阪での日々のことあれこれです。

介護のはなし1 それはある日突然に

 前回、お義母さんを介護することになりそうな件を書きましたが、今までのことを忘れないように、備忘録的に書いていきたいと思います。

 予兆

 ある日曜日、突然ぽーさんがお出かけの準備を始めたので、どこに行くのかと尋ねると、「お金を払わずにレジを通ったらしい」と言います。

???何のことかさっぱりわからず、てっきりぽーさん自身がうっかりしてて、お店の商品を持ってきてしまったとか、思ってしまいました。

「へ?どこで?」

「わからない」

???え?ぽーさん、ボケが始まったの?

 どういうこと?と尋ねるとどうやら離れて住んでいるお義母さんのことらしい。

 ぽーさんはかなり不機嫌で、出かけて行きました。

お義母さんのこと

 お義母さんは電車で1時間くらいのところに住んでいます。お義父さんはもう亡くなられていて、一人で住んでいます。

 ぽーさんはそんなお義母さんの様子を見に月に1回通っていました。

 私とぽーさんはお互い再婚同士で、再婚してもう7年くらいになりますが、私がお義母さんのところへ行くのは年に2~3回、ぽーさんについて行って、10分くらいの滞在で顔を合わすくらいでした。

 それでもお義母さんが最初に会った時より、だんだんと、どんよりしていっているような気がして、最近何度かぽーさんには年齢も年齢なので、一度、介護認定とか受けておいたら?とは勧めていました。ぽーさんは部屋がちゃんと片付いているから大丈夫と言っていました。

 私の母はお義母さんより年上ですが、妹家族と住んでいるので、何かあっても傍に人がいます。でもお義母さんにはぽーさんしかいません。しかも行くまでに1時間は余裕でかかる距離です。

 私は介護の仕事をしていたことがあるので、いろんな介護サービスがあったりするのを知っていたので、できれば週に1回安否確認とかできれば安心なのに、と思ったからでしたが、息子のぽーさんが要らないと言えばそれまでで、「嫁」という立場で、しかも再婚だし、なんとなく強くは言えずにそのままになっていました。

 この呼び出し事件のときも詳しく、何がどうだったのかなど、事のいきさつを聞けずにいました。聞くのが怖かったのかもしれない。 

呼ばれて飛び出て

 それから3日後くらいでした。 

 コロナ騒動にまぎれてプー生活を続けていた私に電話がありました。

 ふだんはずっとマナーモードにしているので電話がかかったことにすぐには気づきませんでした。昼ごはんを食べるタイミングでスマホを見るとと知らない番号からの着信でした。私に知らない人から電話がかかるのはめったにないので、不審に思いながら番号検索してみると警察からでした。

 驚いてかけなおすと、お義母さんの身元引受に来てほしいとのことでした。詳しくは着いてからということで、とりあえず、かけつけました。

 どうやらぽーさんの電話にかけたけど、仕事中で出なかったので、私にかけたらしい。どうやって調べたのか謎だけど、そこは警察力なんでしょうね。

 大阪に暮らして約7年だけど、お義母さんの住むところらへんとか、大阪市内以外ほとんどよくわからない状態で、まず警察署まで行くのに苦労しました。

警察署で

 着くと薄暗い廊下の長椅子にお義母さんが警察官と並んで腰かけていました。帽子を深くかぶっているので表情は見えません。しばらく会っていなかったので、

「お義母さん、わかる?私」と声をかけると不審そうに

「○○(ぽーさんの名前)は?」と聞かれます。

「仕事で来れないから、私が来たの」

そういうとニコニコして「あら~!」といいお返事。

 その後お義母さんには別室で待ってもらって、ざっと警察の説明を聞くと、よその家の花を大きな枝切ばさみを持って行って切ったらしい。理由はそのお家の人が自分の家をジロジロ見たかららしいけど、ちょっと離れたお家だったようです。つまり、どうやらお義母さんの勘違いというか被害妄想?だったようでした。

 そして、花を切られた被害者さんと対面したけど、相手は怒り心頭。そりゃそうですよね、見てもないのに見たと言われて、一生懸命育てた花をちょん切られたら、そりゃ怒ります。わかります。しかも結構な大きさの枝切ばさみを持っていたので、それは恐怖を感じます。わかります。

で、ぎゃんぎゃん怒られて、私はひたすら、平身低頭謝るしかなかったです。

 ただね、頭をなんべんも下げながら、私はお義母さんの息子の配偶者だけど、お義母さんはほぼ知らないひとだよ~と心の中で叫んでいました。

 「嫁」という言葉の恐ろしさを感じたよ。そして、「嫁」なら義母に仕えて当然、義母のことをよく知っているという思い込み。

 警察も次、こんなことがあったら逮捕ということもありますから、家族さんがしっかり見ていてくれなくちゃと言われました。お世話になっていたんでしょう!と言われましても、全然世話になってませんが・・・ と心の中でつぶやきつつも「はい」と返事を返すしかありませんでした。

 身元引受の書類を記入して、帰っていいよということになったけど、どうやってお義母さん宅へ帰っていいのか、道がわからない。そこは警察署、電車の乗り換えを尋ねていると、お義母さんはタクシーで帰ろうとおっしゃる。が、慌てて出てきたので、お財布の中身が心もとないので、いくらくらいかかるのかこれも尋ねて、どうやら足りそうなので近くの駅からタクシーで帰りました。

お義母さんの様子

 タクシーを降りて、お義母さんお腹減ったでしょと、コンビニでおにぎりを2個買って、お義母さん宅で食べてもらいながら、ぽーさんからの連絡を待っていました。

 お義母さんは「私は悪くない」「女の刑事が来た時に玄関の花(造花)を見てキレイと言った」とかまるで愉快な出来事があったかのようにしゃべります。全然、事の重大さもわかってないし、反省の色もありません。

 ウフフ、ウフフと笑い、手を叩く姿を見ていると、明らかに「おかしい」と確信しました。とにかく、疲れてぽーさんからの電話をひたすら待っていました。

 仕事が終わって連絡をくれたぽーさんがお義母さん宅へ到着して、事の顛末を話して、枝切ばさみを持って帰ることにしました。

 ぽーさんはお義母さんとはほとんど話をせずに「人に迷惑をかけないように、今度こんなことがあればこの家に帰って来れなくなります」とメモに書いて渡していました。

 それから電車に乗って、今日の出来事を話しながら帰り、家に帰りついたのは21時をまわっていました。

戸惑い

 翌日、お義母さんの様子が不安なので、(何かまたどこかに迷惑をかけることになってはイカン)できるだけ早く、お義母さん宅へ向かいました。

 何といっても、「嫁」だけだった立場から「身元引受人」に署名押印しちゃったからね。責任増えてます。

 お義母さんはお元気そうで、昨日の警察のこともまるで武勇伝のように語ります。

 そして、昨日はドタバタで余裕がなかったけれど、お義母さんを観察すると、おそらく、頭は洗ってない、服も昨日のままで、しかも胸元らへんは汚れているのがわかる(おそらくは食べこぼし?)。

 部屋を見回すと、物が少なく片付いて見えるけれど、ほこりが積もっていたり、小さなごみが散らかっている。流しはドロドロの部分がある。部屋の中はどうしたわけか薄暗くて、老眼鏡をかけていないお義母さんにはいろんなものが見えていないのだろうと思われる。しかも耳も遠い。

 ぽーさんはお義母さんのことを、私が介護認定を勧めた時に「部屋が片付いているから、まだ大丈夫」と言っていたけど、確かに物が無いので片付いてはいるけど、清潔、不潔でいうと不潔なのだ。

 爪も伸びていたので手の爪は自分で切ってもらう。手の指は親指と小指だけ赤いマニキュアが塗ってある。足の指は全部塗ってあるが、ずいぶん切ってなかったのか、かなり伸びている。コンビニで除光液を買ってきて落としてもらう。足の爪は本人が切れないと言うので、私が切らせてもらった。親指の爪がおかしいので尋ねると「爪水虫」だという。病院に行っていたけど、もう治ったと言う。いや、治ってないよね?と言っても聞いてくれない。服は汚れを指摘すると着替えてくれる。

 夕方まで過ごして、家に帰り、夜ぽーさんに報告して、介護認定してもらおうと強く提案して、明日、地域包括センターに電話するからね!というと、ゴソゴソと名刺を出してきた。

 なんや、これ?と見ると包括センターの人の名刺だった…。

「何?これ?どういうこと?」と聞くと

「3年くらい前に電話がかかってきて、これが(お義母さん宅に)入っていた」

…なんやそれ…3年前、なぜ、その時点で言わなかった。

当時、何かあったから、包括センターへ連絡が行ったんじゃないの?

 「突然」じゃなくて「知らぬは私ばかりなり」だったのか。なぜ、黙っていたのか、それはぽーさんにしかわからない。

ひとりで抱え込まないでほしい

 実は私は以前の結婚でこの「知らぬは私ばかりなり」を前の夫にやられたのだ。内容は全然違うけど、周りはみんな知っていて、私だけが知らなかったのだ。

 これはかなりキツかった。心が砕けた。

私という存在はまったく頼りにも当てにもされていなかったということ。トラウマかもしれない。

 人生を一緒に歩いて行こうとする人間に信頼されていないということはどういうことか。一緒に歩いて行く気がないのだ。キツかった。私よりも周りが知っているという屈辱。ずっとバカにされていたのかと思った。辛かった。

 

 今回ぽーさんがお義母さんの件を隠していたのは(意図的に言わなかったのか)、なぜなのかはわからない。 

 でも介護で困ったら手を差し伸べてくれる人がいるはずなのだ。私では役に立たないと思ったのか。知られるのが恥ずかしかったのか、それはわからない。

 なんにせよ、どんどん、いろんな人や、いろんなところへ相談したらいいと思う。一番身近な人間も、周りにいる人間も知っておきたいだろうし、手助けしたいと思っているはず。いろんな思いやプライドとかあるだろうけど、抱え込まない方がいいと思う。事が大変になってからでは、なぜ相談してくれなかった!?と恨まれますよ。

 私だって、たまたま介護の仕事をしていなかったら、警察でお義母さんを責めていたかもしれない、身元引受の書類にサインしながらこれからどうしていいのか途方にくれていたかもしれない、ギャンギャン怒られながら死にたくなったかもしれない。

 実際、警察沙汰になっているのにウフフと笑い、アイドルばりに手を振る姿を見れば、これはヤバイと思ったので、お義母さんを責める気にはならなかったけど、警官に「ちゃんと見ててもらわないと困りますよっ!」と言われたときは、どうすればいいんだよと絶望的な気分にはなりました。

 きっと、ここでどうしていいのかわからない人も多いんだろうなと思った。警察も役所や地域包括支援センターを紹介するとかしてあげないと、高齢者家族さんは途方に暮れて絶望すると思う。

 次の日地域包括支援センターへ電話をして、取りあえず、様子を見に来てくれることになりました。

 しばらく続きます。